観音菩薩は「観音さま」と呼ばれ、昔から広く民衆に親しまれています。
法華経普門品第二十五は「観音経」と呼ばれ、この中で観音菩薩は施無畏者であると言われています。施無畏者とは「怖いことや災いの無い状態を人々に施してくれるもの」の意味で、一切の衆生(しゅじょう)を救ってくれる現世利益の仏様です。
観音菩薩は人々の苦しみの声を聴き、苦しみのありさまをしっかりと見届けて、そのような人たちを全て救ってくれる崇高で偉大な仏様です。
また観音菩薩は三十三の違った姿に変身して、衆生を救ってくれると言われていますが、その基本形というべき姿が聖観音菩薩(せいかんのんぼさつ)で、宝冠をかぶり、左手に蓮華を持ち、蓮華台座にのる姿が一般的です。